【現代の催眠療法における観念運動的なシグナル】

催眠療法における問題へのアクセス法とその解決法に、観念運動的なシグナル(ideomotor signal)を使ったテクニックがあります。また、このテクニックには、次の2つの基本的な方法があります。

(1)ミルトン・エリクソン(Milton Erickson)による自然主義的あるいは実用主義的な方法
(2)チークとルクロン(Cheek & LeCron)による高度に構造化された方法

ミルトン・エリクソンの自然主義的あるいは実用主義的な方法では、クライアントが無意識に示している観念運動的な身ぶりを使用します。例えば、セラピーの中で、クライアントの頭や手足が無意識的かつ自動的に動いていた場合、エリクソンはそれを、非言語的なレベルでの心身相関的反応からくる観念運動的な信号として利用しました。観念運動的な信号には、頭の動き、眼球の動き、腕や手の動き、足の動きなど、身体のあらゆる無意識的動作が含まれます。

チークとルクロンの高度に構造化された方法では、すべてのクライアントに対して標準化した観念運動的な指信号を使います。まず、クライアントのそれぞれの指に「イエス」「ノー」「わからない」「答えたくない」という反応を割り当て、それに続いて、その指信号で答えられるような一連の質問をしていきます。質問は、問題の原因にアクセスし、その解決法を見い出せるように、丁寧にフレーミングしながら作ります。

----------------------------------------------------------------------
【NLPにおける無意識シグナルの確立】

NLPでは、上記のような、頭、手足、その他、あらゆる種類の無意識に発せられる身体的信号を使って自触媒的な治癒(autocatalytic healing)を促す方法として、無意識シグナルの確立というモデルを開発しました。

無意識シグナルとは、無意識がもつ観念運動的な信号が、目に見える行動として身体に表現されるものです。NLPの「無意識シグナルの確立」というモデルは、演習を進行する過程で、ファシリテーターによる解釈をほとんど必要とせず、クライアントは自己生成的なシグナルと内的対話によって、深い洞察と新しい気づきを得ることができます。そしてどのような思考にも左右されない、自然でニュートラルな状態を体験します。
----------------------------------------------------------------------
【NLPモデル「無意識シグナルの確立」演習手順】

NLPモデル「無意識シグナルの確立」
(Establish a reliable involuntary signal system with the unconscious)

1.行動上の問題を1つ選ぶ。
2.行動上の問題の文脈(VAK)を特定する。
3.行動上の問題を生み出しているパーツに対して、内的対話を使って、フレームを提示しながら、一連の「呼びかけ質問」を行う。
4.無意識シグナル(Yes,No)を確立する。
5.無意識シグナル(Yes,No)を使って、パーツとコミュニケーションを取る。