右脳の創造的な心身の治癒力を促進する研究に携わる、あらゆる学派の心理療法家たちは、この説明に飛びつき、心のプロセスにともなう表情あるいは身体言語的な目に見える手がかりを発見しようとして、多くの論議を巻き起こした。H.ティートルボームとM.デイは、それぞれ思考や思索にともなう典型的な眼球の動きを発見した(Teitlebaum, 1954; Day, 1964)。P.ベイカンは、論理的な情報を変換する時と類推的な情報を変換する時とで、左脳と右脳の支配あるいは活動が切り替わることが、眼球が右または左に動く傾向のもとになっているのではないかと初めて論じた。

ベイカンは、この分野の多くの新しい研究を総括して、右脳は「未加工のイメージ」を形成するのに主要な役割を果たしていると結論した(Bakan, 1980)。この未加工のイメージの発生は、睡眠、夢見の状態、筋肉の弛緩、自由連想、精神錯乱、右脳と左脳の連絡を絶つある種の薬物の影響のもとで促される。しかし右脳と左脳の連絡が緊密な時は、右脳の未加工のイメージは左脳によって「料理」すなわち変換されるのである。ここから、体系的なイメージテストや空間的位置関係のテストでの能力の高い被験者は、眼球を右に動かす、すなわち左脳の関与が高まっているという一見矛盾するような発見がなされたのである。したがって、脳のどちらの半球が活発に活動しているかを知る手がかりとして眼球の動きを観察する際には、イメージがどの程度一次プロセス(未加工)で、あるいは二次プロセス(料理されている)で変換されているかを考慮に入れなければならない。

脳が未加工のイメージを変換することと処理されたイメージを変換することとの違いは、他のすべての感覚器官から得た情報にも典型的に見られる。例えば、音楽を習っていない、ただ音楽を楽しむだけの聴き手では右脳が活動しているのに対し、プロの音楽家の場合は、同じ音楽でも分析しながら聞くので、左脳が活動していることが明らかになっている(Mazziotta, Phelps, Carson & Kuhl, 1982)。右脳と左脳の情報変換の違い(Rossi, 1977)は、心身のコミュニケーションを促進するための多くの手段の基本原理となっているのである。
(精神生物学p.45-46から引用)





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