◎frameの語源
英語の frame(フレーム)ということばは、古英語の framian という語に由来しています。このことばには、もともと〈・・・のためになる、役に立つ〉という意味がありました。中英語の時代(1066年頃〜15世紀後半)になると、こんどは〈(何かを役に立てるために)用意する〉というような意味をもつようになります。そこから意味がさらに限定されて〈建物を建てるために材木を用意する〉という意味になり、この建築用語から発展し、最終的に〈骨組み、枠、枠組み〉をあらわす名詞として用いられるようになりました(参考:Oxford Dictionary of English)。また、日本語では「フレーム」と表記されることが多いこのことばですが、もとの英語の発音としては「フレイム」のほうが近い(二重母音で発音される)ということにも注意しておいてください。
◎frameの意味
現代英語のframeは、〈枠組み〉を中心的意味として複数の用法へと発展している、と考えることができます。かなり特殊な用法(漫画の「コマ」や、ミツバチの「巣穴」など)もあるこのことばですが、ここでは一般的な意味をいくつか取り上げて紹介したいと思います(参考:ジーニアス英和大辞典)。
(1)(建物・船・車・機械などの)骨組み、構造 例)the frame of a gymnasium「体育館の構造」
(2)(社会・政治などの)機構 例)the
frame of society「社会機構」
(3)(理論などの)構成、枠組み 《◆frameworkの方が普通》 例)in Chomsky’s theoretical framework「チョムスキーの理論的枠組みにおいては」
(4)(人・動物の)体格、骨格 例)a man
of strong frame「がっしりとした体格の人」
(5)(窓などの)枠、額縁 例)a window
frame「窓枠」/ put a photo into a frame「写真を額に入れる」
以上のような名詞的用法のほかに、frameは動詞としても用いられることがあります。動詞的な用法としては、〈枠にはめる〉という意味を中心にしていくつかの意味が派生していると考えることができそうです。
(6)〈建物など〉を組み立てる、造る、建設する 例)a building framed for cold「耐寒用に造られた建物」
(7)〈計画・規則・話など〉を工夫・立案する 例)frame
a plan「計画を練る」
(8)[通例受身形で]〈物が〉枠にはめられる、囲まれる 例)the farm is framed in a forest「その農場は森に囲まれている」
(9)〈言葉など〉を発する、声に出して言う、書き表す 例)frame an answer to the question「質問に答える」
(10)〈人を〉わなにかける 例)I’ve
been framed for murder「私は殺人のぬれぎぬを着せられた」
最後の「人をわなにかける」という特殊な意味は、「〈枠にはめる〉ということは、その対象を自分の思い通りにコントロールできるようになることである」という連想の結果として生じた意味であると考えることができるでしょう。日本語にも、似た意味をあらわすものとして「あいつにまんまとハメられた」という表現があるのは興味深いことです。
◎frameの関連語
・from「〜から」
もはや意味の面においては frame となんの関係もないように見えるこの語も、語源を共有しています。From も frame も、英語やドイツ語の親言語であるゲルマン語に由来することばと考えられています(参考:Oxford Dictionary of English)。
・furnish「備えつける」
Frame には中期英語時代に〈用意する〉という意味があったということを最初に確認しましたが、このfurnishということばはその意味と関係しています。〈必要なもの・望ましいものを供給する〉という意味を中心的意味としてもつこの動詞は、現在ではおもに〈家に家具を備えつける〉という意味で用いられています。 例)His house is luxuriously furnished.「彼の家はぜいたくな家具が備わっている。」
・furniture「家具」
家に furnish(備えつけ)されたものが、「家具」という意味をあらわす furniture です。 例)There is a lot of furniture in his room.「彼の部屋には家具が多い。」
NLP創始者ジョン・グリンダー博士認定校
ニューコードNLPスクール
記事投稿日:2022/06/11