患者が普通に示すような忌避、抵抗、拒否の姿勢ではなく、敬意をもって問いかける姿勢で心身の症状に向き合うことが、状態依存記憶・連想にアクセスする第一歩である。そのような記憶・連想は、表出し、発展したがっている(個性化したがっている)、人格のさまざまな要素からの合図・信号かも知れない。普通、私は、ひとつの症状を患者の内面でより大きく創造的に発展するための信号に変換するという概念を、おおむね次のように話している(Rossi, 1986b, p.20)。

あなたは一日中、いつでも必要に応じて真にゆったりと休息をとるだけで、自然な形の自己催眠を利用できます。ただ目を閉じて、一番心地よく感じる身体の部位に心を集中するだけでいいのです。心地よい部分を突き止めたら、ただその心地よさに浸り、それが自然に深まって身体の中に広がるままにしておいて下さい。本当の心地よさに深く浸ることは、あなたの副交感神経系−あなたに生まれつき備わったリラックス反応−を働かせることです。これは、あなたの身体の自然なウルトレイディアン・リズムの休息の相がもつ癒しの力を、最大に高める最も簡単な方法です。

内なる心地よさを求めながら、あなたが解決したいと思っている症状、生涯、問題を、創造的無意識がどうやって解決していくのだろうという不思議さを感じてみてください。あなたの無意識は、あなたのあらゆる生物学的、心的なプロセスに内側から働きかけていきます。何かの障害を抱えているとしたら、それはたぶん過去からの何らかの不適切なプログラムが、あなたの無意識の内部の自然な調整プロセスを妨げてきたからなのです。一日を通してのウルトレイディアン・リズムの中で、正常な休息時間を受け入れ、それを楽しむことで、あなたは自分の身体と心の自然な自己調整作用に、問題の解決と癒しを委ねているのです。

このような催眠治療を行う時は、症状と自己に対するあなたの態度が非常に重要です。症状や障害は、実はあなたの友なのです。あなたの症状は、今の生活に創造的な変化が必要だという信号なのです。ウルトレイディアン・リズムにもとづく自己催眠で心地よさに浸っている間に、自分の人生について、本当は何を望んでいるのか、それをどう獲得するかについて、静かな洞察を得ることがよくあります。ウルトレイディアン・リズムにもとづく自己催眠を規則的に行うことで、新しい思索、喜び、より大きな気づき、人としての成熟が得られるのです。(精神生物学p.350-352から引用)

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精神生物学(サイコバイオロジー)―心身のコミュニケーションと治癒の新理論
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