【人間の潜在力としてのサイキック・ヒーリング〜その進歩の歴史〜】(その2)

治癒のメカニズムを調べていた初期の研究者の多くは、そこに磁気のようなエネルギーが関わっているという仮説を持っていました。当時、注目を集めた「生体磁気説」の代表的な論者のひとりに、テオフラストゥス・フィリップス・アウレオールス・ボンバストゥス・フォン・ホーエンハイム(Theophrastus Philippus Aureolus Bombastus von Hohenheim)というルネサンス初期のスイスの医師がいましたが、彼はパラケルスス(Paracelsus)という名前でも知られている有名な人物であり、のちに大論争の火付け役となりました。

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パラケルスス(Paracelsus)









パラケルススは、新しい薬物療法の数々を発見し、人間と宇宙との照応関係にもとづく独自の医学体系を築きあげました。その説によれば、人体は、微細な放射物や、空間を隅々まで満たしている流動体を通じて、星やさまざまな物体(とくに磁石)の影響を受けているというものです。パラケルススの説は、人間と天体との結びつきを説明しようとするものでした。彼の医学体系は、人間の病気や行動に対する惑星と恒星の影響に関する、初期の占星術的な考察であるとみることができます。

ここで言及されている人間と天界との結びつきは、微細で浸透的であり宇宙に遍満する流動体、おそらくは「エーテル」の初期的構成物によって成り立っています。パラケルススは、その微細な物質には犲Уづ畧質が備わっていると考え、これが治癒をうながす独特の特性をもたらしていると考えました。そして、その力が手に入り、活用できるのであれば、病気の進行を遅らせたり、治癒に導いたりすることができるだろうとも結論づけていました。パラケルススは、「生命力というものは、個人の体内に閉じこめられているものではなく、光輝く天体のように身体の内外に放射しており、遠く離れた場所にも作用するものである」と述べています。身体周囲のエネルギー場に関する描写が実に正確であることから察して、彼自身が人体のオーラを観察することができたのではないかと思われます。

パラケルススの死後、磁気説は、当時の医師であり神秘家であった英国人ロバート・フラッド(Robert Fludd,Robertus de Fluctibus,1574-1637)に受け継がれました。フラッドは、17世紀初期の代表的な錬金術理論家のひとりと考えられています。
 

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ロバート・フラッド(Robert Fludd,Robertus de Fluctibus)








彼は、光と生命の源としての、健康における太陽の役割を強調し、太陽は地球上に存在するあらゆる生き物に必要な「生命の光線」を供給してくれると考えていました。また、天上から送られてくる不可視の力が何らかの方法であらゆる生命体に顕現しており、その生命力は犖撞曚箸箸發某搬里貌ってくる瓩塙佑┐泙靴拭これは、インドのプラーナという概念と似ており、太陽に内在する微細エネルギーをあらわす概念であり、呼吸を通じて体内に取り入れられるというものです。

神秘家の多くは、ヒーラーが行う「癒しのわざ」は、体内に取り入れたプラーナの流れを視覚化し、意識的にコントロールすることによって、エーテル・エネルギーを患者の体内に手から送り込むことだと考えています。フラッドは、人体に磁気が存在するという説の信奉者でもありました。

(続く)

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バイブレーショナル・メディスン―いのちを癒す「エネルギー医学」の全体像 [単行本]
p.353-354