by ジョン・グリンダー
(東京で開催されたセミナーにて)
NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士認定校
ニューコードNLPスクール
記事更新日:2024/01/23
NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士、ニューコードNLP共同開発者カルメン・ボスティック女史が監修するニューコードNLPスクールの公式ブログです。
1.他者の模倣(模倣による運動学習)
ゴルフを習い始めたばかりの人が、プロゴルファーのスイング(クラブを振る一連の動作)をそばで見て、その直後に自分のスイングが急に上達したかのように感じたとします。これは、プロゴルファーのスイングを観察した人の大脳皮質の運動領野が活動したことで起こります。
1.ミラーニューロンのさまざまな働き
ミラーニューロンは、他者の行動を観察するときだけではなく、他者の行動の結果を観察するときにも反応します。
〈ミラーニューロンの働き〉
◎他者の行動を観察する
⇒観察した行動の意図を理解する。
◎他者の行動の結果を観察する
⇒観察した行動を、前頭前野でコード化する
⇒行動を予測する
⇒学習したことをもとに、自己の行動を計画、選択、決定する。
他者の行動やその結果を観察してコード化し、それをもとに他者の行動を予測したり自己の行動を決定したりすることは、前頭前野が行動の結果をモニターすることで起こることであり、これが、他者の心理状態を推測したり理解することへと発展しています。
2.他者の行動の理解、行動の意図の理解
私たちの脳は、自分がいる環境、そこでの行動、その結果と報酬などについて、これまでの経験に基づいてひとつひとつ予測を行いながら、効率的かつ素早く情報を処理しながら、適応的に(ある条件や要求などに合うように)行動するように、その機能を高めていくことができます。
テニスという球技で例えてみると、テニスコートの中で、相手が打ったボールについて、ボールの速度や落下地点を予測し、自分の身体を動かした結果を予測しながら、ボールを打ち返します。それだけではなく、相手の視線や動作を見ながら、相手の動きの意図を予測し、フェイントをかけます。また、行動の結果に付随する報酬(得点など)は行動のモチベーションにとって重要ですが、脳はその報酬さえも予測します。
ミラーニューロンは、自分が行動するときと、他者が同様の行動をするのを見ているときに、鏡に映したように活動するもので、行動にまつわる運動のパターンが立ち上がるという点で共通しています。このように、他者の脳内にある運動の情報を自分の脳内で再現することは、運動の予測にもつながります。こうしてみると、さきほどのテニスのような球技では、お互いに相手の動きや意図を予測するという点で戦っているように見えて実は共有している部分も多いというのが非常に興味深いです。
このような予測の過程には、順行と逆行の二つのモデルがあるとされています。
◎順行モデル:
・フィードバック的な運動指令を発動する。
・自分の動作の結果、感覚フィードバックを予測する。
・予測されたフィードバックを、実際のフィードバックと比較して、修正する。
〈順行モデルの例〉
逆さにしたケチャップの瓶の底を叩くとき、瓶を叩く手の強さと瓶を握る手の強さが同期し、瓶が手から滑り落ちないように予測されて行われる。瓶を握る人と叩く人が別であれば同期されておらず、予測できないため、瓶が手から滑り落ちる可能性がある。
◎逆行のモデル:
・フィードフォワード的な運動指令を発動する。
・他者の動作を見て、感覚情報が運動指令に変換され、他者の脳内の内部情報を予測する。
・望ましい運動結果から、それを実現するための必要な運動指令を計算する。
〈逆行モデルの例〉
料理が苦手で嫌いな人が、プロの料理人がチャーハンを作るところを見て、自分もできそうな感覚になり、実際に材料を揃えて作ってみると、自然と手指が動き、チャーハンを作ることができただけではなく、料理をすることの楽しさを感じた。(行動と意図の模倣)
ミラーニューロンは、他者の動作を観察するにあたり、自己の内部表象を使って他者の内部状態を推測する際の神経基盤になるとされています。それだけでなく、運動と感覚がまたがり、ある動作とある感覚との関連が内部表象されることも明らかになっています。
たとえば、紙を破っている人を観察しているとき、脳内では、あるミラーニューロンが「紙を破る」という動作を内部表出していると同時に、「破れている音」という感覚も内部表出しています。
NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士認定校
ニューコードNLPスクール
記事更新日:2024/01/07
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記事更新日:2024/01/07
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記事更新日:2024/01/17
ミラーニューロン(Mirror neuron)とは、ヒトやサル、鳥などの脳内で、自ら行動する時と他の個体が行動するのを見ている時と同様の活動電位を発生させる神経細胞で、他の個体の行動を見て、まるで自分自身も同じ行動を取っているかのように鏡映しのような反応をすることからミラーニューロンと名づけられました。ヒトの脳では、前運動野と下頭頂葉において、ミラーニューロンと推測される脳の活動が観測されています。
ミラーニューロンは、自己の内部表象を使って他者の内部状態を推測する神経基盤となっていいます。脳内で自他の表現を共有するものとして、次のような役割を果たしています。
(1)共同注意と共感
・脳内に自己と他者の共有表現を持つ。
・他者の感情や不快感、痛みを共有する。
・共同注意とそれに関する態度の共有が可能となる。
(2)理解
・他者の動作を見て、その動作を理解する。
・他者の動作を見て、その意図を理解する。
(3)模倣
・他者の動作を見て、その技能を模倣する。
・他者の動作を見て、その意図を模倣する。
(4)言語
・非言語コミュニケーションの基礎となる。
・言語音を理解する。(モーターセオリー)
・言語の意味を理解する。
以上のことから、ミラーニューロンは、社会的認知機能を支える神経基盤になっていることがわかります。
NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士認定校
ニューコードNLPスクール
記事更新日:2024/01/13