状態依存記憶・学習・行動(state-dependent memory, learning, and behavior /SDMLB)は、過去40年間にわたり管理の行き届いた実験の対象となってきたが (Overton, 1978, Rossi & Ryan, 1986)、パブロフの古典的な条件づけやスキナーのオペラント・道具的条件づけほど有名ではない。したがって初めて出会うと、状態依存記憶・学習・行動は、非常に特殊で奇妙な学習の形態であり、古典的条件づけあるいはオペラント条件づけのちょっとした異形にみえるかも知れない。しかし実際はそうではない。状態依存記憶・学習・行動は、大脳皮質と大脳辺縁−視床下部系をそなえたすべての複雑な生物(有機体)に起こる、広範で包括的な学習なのである。

パブロフやスキナーの条件づけは、状態依存記憶・学習・行動のむしろ特殊な形といえる。この先駆的な研究者とその後継者のほとんどは、彼らの初期の実験における大脳辺縁−視床下部系の状態依存記憶・学習・行動要因の役割に気づいていなかったのである。

たとえばパブロフは、香辛料をかけた肉と音という「外的」な組み合わせの連想で唾液を出すよう条件づけられた犬の微妙な「内的」ストレス反応のすべてを考慮に入れることはできなかった。精神生物学的なアプローチをする現代の記憶と学習の研究者や理論家のほとんどは (Lynch, McGaugh & Weinberger, 1984)、すべての高等動物の記憶と学習に少なくとも2つの「内的」な反応があることを一般に受け入れている (表現は多少違うが)。それは次の通りである:

(1)分子−細胞−シナプスレベルで記憶の痕跡を残す特定の場があること (Hawkins & Kandel, 1984; Rosenzweig & Bennett, 1984)

(2)脳のどこかに位置すると思われる特定の記憶の痕跡を処理、コード化、想起するにあたっては、大脳辺縁−視床下部系の扁桃体と海馬が関与していること (Mishkin & Petri, 1984; Thompsonほか,1984)である。

大脳辺縁−視床下部系と関連するこの第二の要点こそ、微妙な状態依存的要因と記憶、学習、行動とを結びつけるものであり、その状態依存要因が心身の障害をコード化するのである。そしてこれらは、催眠療法その他の心身相関的療法で軽減できる。
(精神生物学p.73-74から引用)






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