私たちが認識している「世界」というのは、目に見え、音が聞こえ、感触があり、味や匂いがするといった物理的な現実世界のことです。そして、これらが唯一の現実世界だと思っているかも知れません。しかし、実際には違います。それを認識する人の数だけ、無数の現実世界が存在しているのです。

東京駅









私たちが、自分の脳、そして心の中で認識している空間全体を、NLPでは、インターナル・マップ(Internal Map/内的地図)と呼んでいます。インターナル(内的)と呼ぶことから、自分の脳、そして心の外側に物理的な現実世界が存在するように思われるかも知れませんが、そういうことではありません。自分の心と脳に映っている世界であれば、それがたとえ地球の奥深くであろうと、宇宙の果てであろうと、すべてインターナル・マップ(内的地図)なのです。言い換えると、すべての「世界」が自分自身の脳と心の中で表現されているということであり、それこそが私たちひとりひとりにとっての現実世界にほかなりません。

ネットワーク













ひとつの例を挙げてみましょう。ある1本のリンゴの木のまわりに4人の人がいたとします。そして、リンゴの実が1つ落ちたとします。そこで、そこにいた4人は、次のような体験をします。

Aさん:リンゴが落ちるのを見た。
Bさん:リンゴが落ちるのを見た。
Cさん:ドサッという音がしたので振り向いたら、リンゴが地面に転がっていた。
Dさん:スマホに夢中で、リンゴが落ちたことにまったく気づかなかった。

4人は、それぞれの内的地図として、認識する現実はまったく異なっています。

Aさん:『リンゴは熟すと、木から落ちるんだな』
Bさん:『リンゴが落ちたのは、神が私に何かを伝えるためのメッセージに違いない。』
Cさん:『リンゴは、木から落ちたのかも知れないし、誰かが投げたのかも知れない。』
Dさん:『・・・・・・・・・・』(リンゴは落ちてない)

このような例において、西洋の伝統的な考え方では、『人々がそれぞれどのように認識するにせよ、物理的な現実世界では、リンゴが落ちたということが正しい」』ということになります。それは、「ひとつの外的世界」が存在し、それについて、私たちひとりひとりが、それぞれ、さまざまな認識を行うという考え方です。認識というのは間違えることもありますから、人の数だけ違うかも知れませんが、「正しい世界はひとつだけですよ」というのが、この西洋の伝統的な考え方の根底にあります。私たち日本人も、西洋の文化に触れてきていますので、この考え方の方が馴染み深いのではないかと思います。

リンゴ








しかし近年、物理学の発展によって、このような唯物論的な考え方では、この宇宙の成り立ちを解き明かすことはできないということがわかってきました。現代の量子物理学の考え方は、西洋の伝統的な考え方から、東洋の「唯識」(ゆいしき)といった思想に近づいてきています。

唯識とは、「ただ認識のみ」という意味です。

わかりやすくいうと、「私たちが見ているこの世界は、すべて認識の中にある。逆に、認識の外には、何も存在しない」という考え方です。すべては存在に先んじて、認識があり、誰かが認識しないものは、宇宙には存在しないということです。たとえば、真空を観察した瞬間、そこに素粒子が生まれることが確認されています。誰かが「認識」することが、宇宙さえ生み出すのです。

宇宙












この宇宙は、最初から「情報空間」であり、「物理空間」はその一部に過ぎません。五感で感じられる物理空間は、多くの人が認識を共有することができますので、「こういう世界が存在していますね」ということをお互いに納得することができるのです。この宇宙、すなわち、物理空間を内包する情報空間を、私たちは、固有の内的地図(内部表現)の住人として生きているだけなのです。

そして、もっとも重要なことは、自分自身が『たったひとつの現実世界』だと思い込んでいるインターナル・マップ(内的地図)または内部表現は、いともたやすく書き換え可能だということです。

青空













NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士認定校
ニューコードNLPスクール