Whispering In The Wind
by Carmen Bostic St. Clair and John Grinder
p.220-222

書籍















飲酒問題をもっているアルコール中毒患者、または減量したいと思っている人を、例に取ってみましょう。それは、いかなる中毒にも有効に適用できます。典型的なケースでは、クライアントの過去を調査してみると、一定期間は禁酒することができても、また飲酒を始めていることが明らかになります。該当の行動の「見返り」、すなわち「二次的恩恵」や「二次的利益」が何であるかを明確にすると、以下のようなことが発見できます:

 

 彼は、リラックスするために酒を飲む

 彼は、日々の生活のプレッシャーから逃げるために酒を飲む

 彼は、社交的な状態を達成するために酒を飲む

 

リラックスした状態にアクセスすることを達成するという肯定的な意図にフォーカスするとします。この肯定的な意図は、クライアントにリラックスした状態へのアクセスを提供するすべての行動の集合の名称です。この集合は、定義上、常に元の行動を含んでいます。


※図の省略(Way of Achieving a State of relaxation)

言い換えると、リラックスした状態を達成する方法の集合には、b1(スポーツ), b2(読書), b3(瞑想), bi(ドラッグ), bi+1(ヨガ),bi+j(アルコール中毒), bn(呼吸エクササイズ),(コミュニティ・サービス)などといった多数の行動があります。この集合の要素(メンバー)が何であるかを、いったん(少なくとも部分的に)特定した後は、変化の作業は一般的に単純なものになります。つまり、この集合から問題の行動−この事例ではアルコール中毒−に代替する3つ以上の行動を選ぶだけです。

 

アルコール中毒のような古典的な中毒のケースでは、通常、複数の見返りまたは二次的利益があります。したがって、NLPプラクティショナーは、変化ワークを、肯定的な意図とそれに関連した見返りごとに、一連のセッションに分ける必要があります。このステップを適用することで、一連の集合が自然に生成され、各集合は、変化すべき行動の背後にあるそれぞれの肯定的な意図によって定義されます。

 

これらの2つのステップ(3と4)は、意識的に内容の開示をする必要がないことに注目して下さい。より具体的に言えば、不随意のシグナル体系の強力な支援があれば、有能なNLPプラクティショナーは、完全にコンテント・フリーのアプローチを取り続けることができます。さらに注目すべきことは、無意識が、肯定的な意図と新しい行動のどちらに関しても、その内容を開示することなしに、これらすべてを管理することができるという点です。従って、クライアントが意識的に内容の開示を行わないことを選択する場合、または無意識が情報の開示を拒否する場合に、ステップ3で、内的対話を通してクライアントが自分の無意識に行う質問は以下の通りです:

 

 「変化すべき行動の背後に肯定的な意図がありますか?」

 

あるいは、同様に、以下のように質問することができます:

 

 「無意識さん、変化すべき行動の背後に肯定的な意図があることを確認することはできますか?」

 

ステップ4で、内的対話を通してクライアントが無意識に要求するのは、以下の通りです:

 

 「貴方が既に確認した変化すべき行動の背後にある肯定的な意図を、すべて満足させる様々な行動を生成し、その中から実行に移す3つ以上の行動を選択してください。そして、この作業が完了したら、私に肯定的なシグナルを送ってください。」

 

このパターンは、クライアントが、元の行動が提供していた見返りへのアクセスを失うことがないことを保障します。私たちの累積35年以上の経験では、大多数のセラピーの実践者が直面する主要な障害である「抵抗」は、発生しません。

 

抵抗は、私たちに言わせれば、特に重要な非言語的フィードバックの形式であり、適用されている変化プロセスが、変化すべき行動の背後にある肯定的な意図を適切に特定していないか、これらの意図を満足させるための代替となる行動が不十分である、ということを告げてくれるものです。これは、クライアントが変化したいと意識的に言う行動には、現在進行中の変化プロセスによって尊重されていない重要な二次的な見返りが含まれているという言こともできます。言い換えれば、本人(クライアント)は、自分自身がいる文脈(コンテキスト)の知覚において、自分のメンタルマップの制限の中で選択することができる最善の選択肢である行動を取っているということです。より具体的には、ステップ3と4では、この原理が十分に尊重されていて、抵抗が取り除かれます。

 

ステップ5では、クライアントは、この集合から3つまたはそれ以上の行動を選び、変化すべき行動が発生したまさにその文脈の中で、無意識がこれらの新しい行動を実行する責任を取れるかを尋ねます。

 

最後のステップ(ステップ6)では、無意識に対して、元の行動に代替するように選ばれた新しい行動が、その本人(クライアント)の他のパーツの要求と一致しているかを確認します。もしも新しい行動の1つまたはそれ以上に対して異論があれば、NLPプラクティショナーには2つの選択肢があります。1つ目は、異論のある行動を、生成された元の集合から選んだ他の行動に置き換えます。2つ目は、その異論を、他のリフレームのスタート・ポイントとして使い、ステップ3に戻って、その異論の背後にあるいくつかの肯定的な意図を確認するところから始めます。驚くべきことに、これらすべてのことは、有能なNLPプラクティショナーによって、関与する内容にアクセスすることなしに達成されることが可能であり、変化プロセスへのNLPの適用の際立った利点です。



Six Step Reframing 原文(1)
Six Step Reframing 原文(2)
Six Step Reframing 原文(3)
Six Step Reframing 日本語訳(1)
Six Step Reframing 日本語訳(2)
Six Step Reframing 日本語訳(3)


John&Carmen

















NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士認定校
ニューコードNLPスクール
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