相手の習慣的な知覚の方法に合わせて調和を図るコミュニケーションテクニック

会話










【会話例】

●藤原さん(飲食店の経営コンサルタント)
●島田さん(店舗デザイナー)
●山本さん(これから飲食店を経営したい人)

島田:
山本さん、カフェを経営したいということで、表参道にいい物件が見つかって良かったですね。これで見通しが明るくなりました。これからあなたが理想とする店舗をデザインしていきたいと思いますが、あなたのプランを拝見すると、全体としてバラバラでまとまりがなく、お客さんの立場からみるとお店のコンセプトが見えにくいですね。

山本:
私は田舎で生まれ育ったので、都会の中に、そこにいるだけで気持ちがほっとするようなカフェを作りたいと思っています。ふわっとした温もりのある空間です。緊張がほどけてリラックスするような雰囲気があると嬉しいので、あまり細かいことにはこだわりません。

島田:
それだけだとイメージしにくいですね。

山本:
そうですか。都会で疲れた人が、そこにいるだけでほっとして癒される感じです。

藤原:
島田さん、あなたはデザイナーの視点で良い空間を創ろうとしているのがわかります。それでは次回のミーティングまでに、これまで島田さんがデザインしてきた店舗で、『気持ちがほっとする』『ふわっとして温もりがある』『緊張がほどけてリラックスする』といったものが表現されているような空間の写真をすべてもっていただけますか。それらを山本さんにお見せして、デザインの見通しをつけていきましょう。

山本さん、田舎で過ごしている人と都会で過ごしている人のそれぞれの立場に身を置いて、都会にないものをカフェで提供しようという山本さんのコンセプトには、私もわくわくするような感覚があります。手探りのような感じになりるかもしれませんが、次回のミーティングで島田さんがプレゼンしてくださるものから、あなたが腑に落ちるものを探っていきましょう。

紅茶










〔解説〕
ここで取り上げた会話では、店舗デザイナーの島田さんが「視覚的」、これから飲食店を経営したい山本さんが「体感覚的」な言葉を用いているため、コミュニケーションのミスが起きています。

そこで、飲食店の経営コンサルタントである藤原さんが、異なるリプレゼンテーショナルシステム(=五感という知覚システム)を用いる島田さんと山本さんがそれぞれ言いたいことを「翻訳」してつなげる役目を果たしています。このテクニックをNLPではトランスレイティング(translating)と呼びます。

トランスレイティングを直訳すると、「翻訳、解釈、変換、言い換え」などを意味します。NLPでは、あるリプレゼンテーショナルシステムの言葉を、別のリプレゼンテーショナルシステムの言葉に言い直すことです。つまり、視覚で表出した世界を体感覚で表出した世界に言い換えたり、聴覚や視覚で表出した世界に言い換えたりするといった、ミスマッチングな言語表現を結びつけるものです。

NLPトランスレイティングのテクニックは、今回取り上げた会話のようなビジネスシーンでも応用できます。

言葉がどのようなリプレゼンテーショナルシステムに基づいて用いられるかを表す概念を、VAK叙述語(VAK predicate)といいます。人が発する叙述語から、その人がどのリプレゼンテーショナルシステムに基づいて考え、話しているのかを読み取るとともに、そのシステムを反映した言葉をどのように使うかが大切になります。


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記事更新日:2020/10/11