視覚は、レンズを通して網膜に映し出された像を、網膜にある視細胞が電気信号に変換することから始まります。これをコーディング(coding)または符号化といいます。
電気信号は、脳の内部にある視床を経由して大脳皮質の一次視覚野に伝えられます。一次視覚野のニューロンは方位(orientation)に感受性があり、線分の向き、動きの方向、輪郭線(明るい領域と暗い領域の境界)などを検出します。そしてそれらの情報は、二次視覚野や、さらに高次の視覚野に伝えられ、視覚情報処理が進められていきます。
2.高次視覚野について
人を含む霊長類の高次視覚野は多数あり、全体が階層構造をしています。脳内を流れる情報の経路としては、人の顔や物体の形などの情報は後頭葉にある視覚野から側頭葉にある高次視覚野に向かう経路で処理され、空間的な情報は後頭葉にある視覚野から頭頂葉にある高次視覚野に向かう経路で処理されます。その他にも、色や動きなどの情報を処理する視覚領野があり、並列構造になっています。このように、異なるカテゴリーのものはそれぞれ別々の経路で処理されています。そして、「二匹の猫が公園の木陰にいる」といった複雑な視覚情報は、それぞれの経路で処理されたあと、さらに高次の処理が行われ、その結果、前頭葉の前頭前野で統合されて初めて認識されると考えられています。
視覚やその他の情報から空間情報を検出して、運動制御などで必要な情報(自分の位置や周囲の物体との位置関係など)を提供しているのが頭頂連合野です。これは体性感覚野の後ろにあり、かなり広い面積を占めており、頭頂葉全体の中では上部に位置します。頭頂連合野に障害があると、自分のまわりの空間の一部が正しく認識できなかったり、運動そのものができなくなるなどの症状が現れます。
このように、視覚情報の枠を超えて、その他の情報とも結合して、総合的な理解が行われていることになります。
NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士認定校
ニューコードNLPスクール
記事更新日:2023/07/05